実は、スーパーで賞味期限切れの商品を販売することは、違法ではありません。むしろ積極的に販売することで、食品ロス削減や利益の増加につながります。しかし、賞味期限切れ商品の管理方法や販売方法・表示方法などを間違うと、企業イメージの低下につながりかねません。
そこで本記事では、(各社が販売期間のルールを持って、お客様が消費する期間を確保して販売なされていることは承知のうえで)仮に、スーパーで賞味期限切れの商品を販売する場合のメリットから実際の販売方法・表示方法まで網羅的に考えてみたいと思います。

2024/07/25 チーム|賞味期限管理Labs|


一般的には、スーパーでは、お客様が商品を消費する期間を充分に確保できるように自社の販売期間のルールを設定して、商品を販売なされています。しかし、各商品の賞味期限に販売期限ルールを重ねた管理は簡単なものではありません。Whywaste Japanでは、賞味期限(および、販売期限)の管理を自動化できるアプリ「Semafor(セマフォー)」を提供しています。期限が近い商品が一目でわかる「Semafor」の詳細が知りたい方は、下記から資料をダウンロードして確認ください!

~ 目次 ~

  1.  スーパーで賞味期限切れの商品を販売するのは違法?
  2. 【基礎知識】賞味期限と消費期限の違い
  3.  賞味期限切れの商品をスーパーで販売するメリット2選
     メリット1. 食品ロスの削減
     メリット2. 利益増加
  4.  賞味期限切れ商品をスーパーで販売するリスク
  5.  賞味期限切れの商品をスーパーで販売する方法
    <販売方法>
      1. 値引き販売
      2 特設コーナーでの販売
      3. オンライン販売
    <表示方法>
      1. 賞味期限切れであることを明示
      2. 品質状態を明示
  6.  賞味期限チェックを効率化するなら「セマフォー」がおすすめ
  7.  小売店で賞味期限切れ商品を販売するなら、適切な方法で販売しよう

スーパーで賞味期限切れの商品を販売するのは違法?

結論からお伝えすると、賞味期限切れの商品をスーパーで販売することは違法ではありません。
賞味期限は食品の品質維持期間を示すもので、消費期限とは異なり、過ぎても食べられることが多いです。一方、消費期限が切れた商品は健康被害のリスクが高く「食べないほうがいい」とされています。
賞味期限が切れた商品は、風味や食感が劣化する可能性はありますが、安全性には問題がないことが多いです。
実際に、賞味期限切れ商品を特設コーナーで値引きして販売し、消費者に明示することで合法的に取り扱っている店舗もあります。
賞味期限切れの商品をスーパーで販売する際は、適切な表示と保存・管理が必須です。
具体的な販売方法を今すぐ知りたい方は、「賞味期限切れの商品をスーパーで販売する方法」をご覧ください。

【基礎知識】賞味期限と消費期限の違い

賞味期限と消費期限は異なる概念ですが、しばしば混同されがちです。
賞味期限は「食品の品質が保たれる期間」を指し、消費期限は「食品の安全性が保たれる期間」を指します。これらの違いを正しく理解することが重要です。

出典:東京都保健医療局

繰り返しにはなりますが、賞味期限が表示されている商品(例: スナック菓子)は、期限が過ぎても食べられることが多いです。一方、消費期限が表示されている商品(例: 生肉や総菜)は、期限が過ぎると食品衛生的に危険な場合があります。

賞味期限切れの商品をスーパーで販売するメリット2選

メリット1> 食品ロスの削減
メリット2> 利益増加

それぞれ詳しくみていきましょう。

<メリット1> 食品ロスの削減

食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず廃棄されている食品のことです。
日本でも毎年大量の食品ロスが発生していますが、食品ロスは経済的損失だけではなく環境にも悪影響を及ぼすため、重要な課題となっています。

出典:農林水産省

賞味期限切れの商品を販売することは、大幅な食品ロス削減につながります。
多くの食品は賞味期限が過ぎても安全に食べられるため、これらの商品を捨てるのは非常にもったいないことです。例えば、ビスケットや缶詰などは、賞味期限を過ぎても風味が少し劣るだけで、食べられないわけではありません。
賞味期限切れの商品を販売することで、余分に廃棄される食品の量を減らし、環境への負担を軽減できます。

<メリット2> 利益の増加

2つ目は、賞味期限切れ商品の販売による「利益の増加」です。賞味期限が切れた商品を特設コーナーで値引き販売すれば、売れ残りを減らし廃棄コストの削減につながります。
企業側にとっては、捨てるだけの商品が利益を生むことになるのです。一方、消費者にとっては賞味期限切れの商品が通常より安価で提供されることで、お得感を得られます。

賞味期限切れ商品をスーパーで販売するリスク

 賞味期限切れの商品を販売するリスクは、企業イメージが悪化する可能性があることです。多くの消費者は、新鮮で安全な商品を求めています。賞味期限切れの商品を販売することで、人によっては「品質管理が甘い」という印象を受けるかもしれません。
スーパーで賞味期限切れの商品を販売する際には、適切な管理と説明をおこない、消費者の信頼を維持する努力が必要です。次章で詳しく解説します。

賞味期限切れの商品をスーパーで販売する方法

消費者とのトラブルを引き起こさず、賞味期限切れの商品を効果的に販売するには、いくつかのコツが存在します。本章では、「販売方法」「表示方法」に分けて詳しく解説します。

<販売方法>
賞味期限切れの商品をスーパーで販売する方法には、次のようなものが挙げられます。

  1.  値引き販売
  2.  特設コーナーでの販売
  3.  オンライン販売

それぞれの詳細を見ていきましょう。

1. 値引き販売

賞味期限切れの商品を販売する際に一般的なのが、値引き販売です。値引きで消費者の購買意欲を刺激し、廃棄削減を期待できます。
例えば、賞味期限切れ商品を半額で販売することで「帰宅後すぐに食べるから期限が近くても安い商品を購入しよう」と考える消費者に手に取ってもらいやすくなります。
値引き販売は、賞味期限切れ商品を効率的に販売し、食品ロスを減らす有効な方法です。

2. 特設コーナーでの販売

賞味期限切れの商品は、特設コーナーで販売することも効果的です。特設コーナーを設置し、賞味期限切れ商品を目立たせて集中的に展示することで、消費者の目に留まりやすくなります。

3. オンライン販売

賞味期限切れの商品をオンラインで販売すると、広範囲の消費者にアプローチでき、在庫処分がしやすくなります。
例えば、オンラインショップで「賞味期限間近商品」として特別価格で販売することで、遠方の消費者にも購入してもらえる可能性があります。

<表示方法>
賞味期限切れの商品をスーパーで販売する際は、表示の仕方にも工夫が必要です。本章では下記2つのポイントを紹介します。

  1.  賞味期限切れであることを明示
  2.  品質状態を明示
1. 賞味期限切れであることを明示

賞味期限切れの商品は、明確に表示する必要があります。消費者に対して正確な情報を提供することで、信頼関係を築くためです。
具体的には、商品のラベルに「賞味期限切れ」と大きく表示し、期限の日付も明記します。そうすることで、「賞味期限切れのリスクは把握しているが、お得に買える商品を希望する消費者」の手に取ってもらいやすくなります。

2. 品質状態を明示

賞味期限切れ商品の「品質状態」を明示することも重要です。消費者が商品の状態を正確に把握し、安心して購入できるようにするためです。
具体的には、商品のパッケージに「風味や食感に影響はありませんが、賞味期限が過ぎています」などと記載します。

賞味期限チェックを効率化するなら「セマフォー」がおすすめ

賞味期限が切れていても、安全に管理していればスーパーでの販売は可能です。しかし、安全に管理するためにはすべての商品の賞味期限を正しく管理する必要があります。
そこでおすすめなのが、効率的な日付管理ができる賞味期限チェックシステム「セマフォー」です。

セマフォーは、事前に登録した販売期限に基づき、期限が迫った商品を自動で告知。確認が必要な商品だけをアプリがリストアップしてくれるので、リスクを逃すことなくチェックする商品数も少なくなります。

セマフォーを導入している企業のなかには、作業時間を80%削減した事例や、廃棄ロスを50%削減できた事例もみられています。
セマフォーの機能や導入効果について、詳しくは下記からサービス資料を無料ダウンロードのうえご確認ください。

賞味期限切れ商品を販売するなら、適切な方法で販売しよう

この記事では、スーパーでの賞味期限切れ商品の販売について、合法性やメリット・販売方法などを詳しく解説しました。
賞味期限切れ商品の販売は、正しい管理と表示を徹底することで、食品ロスを大幅に削減でき、利益の向上にもつながります。

なお、スウェーデンにある大型の食品スーパー「Stora Coop Visby」では、店舗での食品廃棄物をゼロにするという目標を掲げ、食品ロスを従来の3分の2の量まで削減できた事例があります。
食品小売店舗としてどのような取り組みがなされたのか気になる方は、下記の記事をチェックしてみてください。

関連記事: 『店舗SX』 の提言 ③店舗における実装事例


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