去る10月30日、金沢にて「食品ロス削減全国大会」が行われました。この大会は、食品ロスの削減に取り組む各地の関係者が集い、経験や取り組み事例を共有する貴重な場となっています。会場には全国から多くの自治体や企業、NPO団体が参加していました。詳しくは、大会のホームページや所管省庁(消費者庁、農林水産省、環境省)のホームページを参照いただくものとし、今回は「食品ロス削減全国大会」を視察した筆者の所感をお伝えさせていただきます。

2023/11/12 Whywaste Japan シニアオフィサー 小川 訓昌

気候危機に対する対策が「待ったなし!」と言われる中、個人レベルのアクションでは無く、集団行動が求められています。その点、小売業者は、行政や地域と消費者を結びつけるHUBとなる大きな可能性があるとともに、その使命があると考えられます。その点、毎年開催される当大会の主旨に賛同・協力することは社会貢献に直結することが再確認できました。今回の視察では、小売業者が行政の取り組みに積極的に参加し、ムーブメントを広げたほうが、日本の未来のためには影響が大きいと実感しました。

大会では、食品ロス削減推進企業の表彰が行われました。環境事務次官賞では、Whywaste Japanでもお付き合いのある「生活協同組合コープこうべ」様が受賞なされました。
コープこうべ様は、今では有名となった「てまえどり」をはじめた企業です。スタートは2016年から。2018年には神戸市と連携し、その後、省庁からのバックアップを受け全国区の展開に。2022年には新語・流行語大賞トップ10に選出されています。
全国大会のブース展示でも「てまえどり」の取り組みが発表されていました。地域独自のデザインもあり紹介されていて、地域行政に浸透されていることが実感できました。受賞された企業様それぞれの取り組みの素晴らしさと同時に、発信すること、取り組みをはじめること、継続させることの大切さを再認識させていただきました。

コープこうべの「てまえどり」の売場展開 (ホームページより)
神奈川県のブースで紹介されていた「てまえどり」POP (筆者撮影)

<コープこうべ ホームページ>
「てまえどり」が新語・流行語大賞2022 トップ10に選ばれました!
https://www.kobe.coop.or.jp/news/detail.php?id=139708
食品ロス削減
https://eco.coop-kobe.net/food-loss/
<神戸新聞NEXT>
神戸発祥の流行語「てまえどり」なぜ浸透? 食品ロス削減へ「これなら私にも…」敷居の低さがポイントに
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/202301/0015942888.shtml

食品ロス削減全国大会では、食ロス削減対策について3つの方向性を打ち出しています。
①食べ残しの持ち帰り促進
 - 飲食店や食堂での持ち帰り容器の設置促進
②フードドライブの推進
 - 食品バンクや地域団体と連携し、定期的なフードドライブを実施
③消費者行動を変容させる取り組み
 - 食品の適切な買い物と保存方法についての啓発
 - 食品の価値やロスの影響について理解を深める教育
 - フードドライブや食品バンクへの参加を促進する啓発

これらのテーマは小売業者が行政とともにアクションの輪を広げる最適なテーマといえます。ポイントは「主体性、積極性」だと思われます。①は飲食店特有のテーマですが、②③については行政や地域とともに取り組むことを検討されてはいかがでしょうか?

食品廃棄物の削減には、Semafor の導入が役立ちます。
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